2017年12月24日日曜日

Merry Christmas from KL

クリスマスイブ

クアラルンプール(KL)で迎える20回目のクリスマスである。

日本のクリスマスを知っている私は、何回目のクリスマスであっても、
暑いクリスマスに慣れない。
逆に子供たちにとっては、暑いクリスマスが当たり前なので、
テレビや本でみるホワイトクリスマスは、
本当にそんな世界があるのかと夢の世界のようなのだ。

子供たちが小さい頃、サンタクロースの絵を見て、
サンタクロースはマレーシアに来る時もあんな服を着るの?
と聞かれたことがある。
マレーシアは暑いから、マレーシアに来る時は半袖のシャツかもね。
と答えたら、そんなのサンタらしくないと反論された。(笑)
もう何年も前の、懐かしい思い出だ。



子供たちとこんな話をしても、実は我が家はクリスマスを祝ったことがない。
私はマレー系マレーシア人と結婚しており、
マレー系はイスラム教徒のため、クリスマスは関係ない。
だから私の子供たちは、朝起きたらサンタさんからプレゼントが!
という経験をしたことがないのだ。

だからといって、寂しいとか悲しいという気持ちもない。
クリスマスはクリスチャンの人々が祝うもの。
自分たちの聖なる日ではないとしっかり認識しているからだ。




外国暮らしをしたことがある方はご存知だと思うが、
日本以外の国では、宗教が民族のアイデンティティと強く結びついている。
特に移民の多い国では、「○○国民」であると同時に、
○○系という民族的なルーツを非常に大切にする。
宗教はその根っこだと強く感じる。

マレーシアの場合は、マレー系はイスラム教、中華系は仏教や道教、
あるいはキリスト教。
インド系はヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教、シーク教が
混じっている。

クリスマスの時期、街はクリスマスのデコレーションで溢れるし、
クリスマスパーティも開かれる。
皆普通にクリスマスセールで買い物をし、
クリスチャンでなくても、パーティに招待されれば、
招待に応じて楽しんだりもする。

だが、本来クリスマスはクリスチャンの聖なる日。
だから、クリスチャン以外のマレーシア人は、
クリスマスを祝うことはしない。
パーティに招待されても、必要以上のどんちゃん騒ぎはしない。
祝うのは、あくまでもそれぞれの宗教の聖なる日なのだ。




私はあなたの大切な日を尊重します。
ただし私は私の大切な日を祝います。

これがマレーシア人のスタンスなのだ。
南国らしくのんびりムードで、何事にもおおらかなマレーシア人だが、
個々の線引きに関しては、日本よりずっと個人主義だ。

対等にお互いの違いを認め、尊重する。
相手の領域に必要以上に踏み込まない。

この点においては、マレーシア人のほうが日本人よりずっと徹底していると思う。
人間関係において、私が心地よいと思う点のひとつだ。




ちなみにクリスマスを祝わない我が家。
何を祝うのかというと、イスラム教のラマダン(断食月)あけの祝日。
そして、私が日本人なので、日本のお正月である。
来週はもうお正月。
祝うといっても、年越し蕎麦を食べるくらいだが、
これが我が家の年末行事なのである。




クリスマスを大切な方たちとお過ごしの皆さま。
どうぞ良いクリスマスを。
メリークリスマス!


クアラルンプールより愛を込めて


nana


           




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