2018年11月27日火曜日

愛する変態靴

昨日は流石に、もしかしたらお叱りのメールが入っているのではと
恐る恐るメールチェックをしたのだが
幸い、ルブタンの靴を愛する方々からの
抗議のメールは入っておらず
皆様の広いお心に、ほっと胸を撫で下ろした。


胸を撫で下ろしたばかりでまた
このようなタイトルで、大変恐縮なのだが
今日はファーストルブタンとの出会いを綴ってみようと思う。


ドキドキしながらルブタンのブティックへ足を踏み入れた
友人二人と私。
実はその前にメンズのブティックに入ってしまい
丁重に、レディースはあちらです、とご案内されるという
恥ずかしい事をしでかしていた。


ブティックに入ったはいいものの、
初めて来ましたという、おのぼりさんオーラ満載なのが
自分でも分かるという情けなさ。

担当してくださったのは
レオパード柄のコートに
スパイク付きのローファーが素敵な
Oさんという男性の販売員さんだった。

開き直って、「ルブタンは初めてです。」と言った私に
Oさんは大変親切かつ丁寧に、接客をしてくださった。


今まで雑誌やネットで何度も目にしていたが
実物はそれとは比較にならない程
美しく、圧倒されるエネルギーを放っていた。
ルブタンの靴は芸術品。
常々師匠が仰っていた通りだった。

暫くうっとりと見とれていたが
気になる物がございましたら
どうぞお試しください。と声をかけられて、
ハッと我に返った。



まずは12cmのプラットフォームを試着。
そして、10cmのクラシカルタイプも試着させていただいた。
思ったよりもすんなりと、足になじむ感覚がした。
友人達も、いいんじゃない。と言ってくれた。

Oさんはとても親切で、
どう見ても大人買いなどしなさそうな私達に
こんなデザインもございます。
こちらも大変美しいです。
と、次々とバックヤードからSpecial Editionの靴を
持ってきては見せて下さった。

中でも、ゴールドに輝く美しいクロコのパンプスは
試着させて戴いた瞬間、あまりの美しさに震えが走ったし
友人はホログラムスパイクの付いた10センチヒールを試着し
これ欲しい!と叫んでいた。



さて、肝心の私の靴だが
12センチのプラットフォームにほぼ、決めかけていたが
(最初は試着だけ、と思っていたはずなのに!)

どうしても目の端に写って、気になる靴があった。

それは12cmのSo Kate。
究極に細いピンヒールとシャープなポインテッドトゥの
クラシックタイプ。

足幅の広い私には、まず無理だし
師匠にも、ルブタンの12センチのクラシックタイプは
今までとは全くレベルが違う、と釘を刺されていたので
最初から選択肢には入れていなかった。


だがどうしても気になる。


駄目でもともと。
ここまで来て、足を入れずに帰っては絶対に後悔する。
意を決して足を入れてみると、かなりきついが入った。

ハーフサイズ上げてみると、なんとかいけそうな感触。

立ち上がり鏡を見た瞬間、
もうこれしかない!と心の中で叫ぶ声が聞こえた。


So Kateを履いた後で、先ほど試着した12cmのプラットフォームを
再び履くと、明らかにエネルギーが違う。
プラットフォームは直ぐに私に馴染んでくれそうな
親しみやすさがあるが、
So Kateは「私を履きこなせるかしら」と言わんばかりなのだ。
だが格段の美しさとセクシーさで圧倒させられてしまう。
どうにも抗えず、惹き付けられる異常なエネルギーがあるのだ。

何度も何度も、So Kateとプラットフォームを履き比べては迷った。
足は入ったが、立てはしたが
So Kateで歩けるとは限らない。
安全を狙うならプラットフォームがいいのではないか。
そう囁く声がする。

だが、記念すべきファーストルブタンで
安全を狙いたくなかった。
履きこなせるかどうか、全く未知ではあるが
この靴に挑戦してみたい。


迷いに迷って、結局は先ほどの心の叫びに従い、So Kateを迎えた。


最初は試着だけ、と思っていたはずなのに。
購入するなら、日常にも履けそうなものを、と
思っていたはずなのに。
よりによって、難易度の高いものを迎えてしまうとは。
何と言う恐るべき靴か。

つれないと分かっていても美女に貢いでしまう
殿方のお気持ちが、ほんの少しだけ分かった気がした。


ようこそ、私の愛する美しき変態靴。ファーストルブタン。


そして私は、二日後の写真撮影で
この美しい靴に、大いに助けられることになる。




マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana





























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