2018年7月6日金曜日

世界でただ一つの身体

学生時代、何回かファッションショーのフィッターをした事がある。
ファッションショーの舞台裏で、モデルさんの着替えを手伝う仕事だ。

元ファッションモデルの師匠はよくご存知だろうが
華やかなファッションショーの舞台裏は、時間との闘いである。
ランウェイから飛び込んでくるモデルさんが脱いだ服を受け取り
次の出番までのわずかな合間に、素早く着換えさせなければいけない。



私が行ったほとんどのファッションショーには
日本人モデルと外国人モデル両方が出演していた。
当時、モデルさん達の身体を見て、気が付いたことがあった。
それは、服を着ている時、スラっと細く見える外国人モデル達の身体は
実は、下着姿になると思っているほど細くないということ。

ファッションモデルなので、確かにスリムなのだが
骨格はしっかりしており、特に上半身の厚み
ヒップと太腿の張りが日本人と全く異なる。
そもそも骨が、日本人より太い。
おそらく実寸を計れば、見た目より大きい数値だと思う。

日本人モデルの場合、服を着たときに細く感じるモデルは
服を脱ぐとより細く、細いだけでなく体の厚みが薄く
ヒップも扁平な方が多かった。
人様の体型をとやかく言って申し訳ないのだが、
ある方は太腿が細すぎて、両腿の間に大きな隙間が出来ていた。

これは人種の骨格の差であり、筋肉の付き方の差なので
どちらが良い、悪いというものではない。


モデルの方は、スリムな身体を維持するために
食事のコントロールやその他、大変な努力をされているのだと思う。
だが、あまりにも細過ぎる身体は、正直、それほど美しいとは思えなかった。

多くの方は(かつての私も含めて) モデル体型に憧れる方は多いと思う。
しかし今の私は、ただ細いよりも、メリハリがある身体。
きちんと鍛えられている身体のほうが美しいと思うし
ふくよかでカーヴィーなラインの身体も魅力的だと思う。


そろそろ、日本人の「スリム信仰」は止めませんかと言いたい。
日本人はたとえ多少ふくよかであっても
外国人から見れば十分細いのだから。
それに、実際にモデルさん達の身体を見てきた経験から言うと
モデルと言えども、必ずしも完璧なプロポーションではない。

体型はあなたの特徴であり、大切なチャームポイントなのだから
もしも体重やサイズが過剰であると感じたら
適正にコントロールをする事は必要だ。
だが、誰も彼もが棒のように細くある必要は無い。


ハイヒールはその点、最高のトレーニングギアだ。
マシンでは鍛えられないインナーマッスルを鍛えてくれる。
履いて歩いているだけで、全身が鍛えられて代謝が良くなるため
太りすぎであれば自然に痩せてくるし、
細すぎであれば、必要な筋肉が付いてくる。
歯を食いしばることなく、しかも見た目に美しく
身体を鍛えることが出来る。


地球上にただ一つの自分の身体。
大切な身体。
その、あなたの身体が生まれ持った美しさを
胸を張って演出して欲しいと思う。

華奢で可憐な身体
たっぷりと女性らしい曲線と肉感を持つ身体
しなやかな筋肉を持つ身体

どれも皆、世界でただ一つの、美しい身体なのだから。



マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana


















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