食べるのは好きだが、料理は好きではない。
家族がいるから料理をしているので
自分ひとりだったらどうなっていることやら。
料理が出来なくはないが、作る事に情熱が湧かないのだ。
綺麗に盛り付けるのも苦手で、ホームパーティを開くのが好きです
という方に会うたび、心から感服してしまう。
私が熱心に料理をする時
それは、好奇心にかられている時。
これはどうやって作るんだろう?という興味が湧けば
好奇心と探究心に駆られて、それはそれは熱心にキッチンに立つ。
ただし、飽きるのも早いのだが。
マレーシアに住みはじめた時
当然、マレーシア料理などひとつも出来なかった。
一体何を使うのか、ご飯はどうやって炊くのか。
結婚前に2ヶ月居候した義姉の家で
お手伝いさんが料理を作るのを、ウロウロしながら観察したものだ。
結婚して今の家に引っ越した後も、ろくな物は作れなかったように思う。
お米が違うので、和風のおかずは合わず
中華炒めもどきばかり作っていたような気がする。
見るに見かねたのか(笑)
義母が3ヶ月ほど家に滞在してくれて
マレーシアの家庭料理の手ほどきを受けた。
と言っても、義母が料理しているのを見ながら
必死でメモを取っていただけであるが。
そもそも、当時の私のマレー語は片言程度であり
義母は英語を話さない。
二人のコミュニケーションは、まるでジェスチャーゲームのようであった(笑)
義母がマレー語で説明しながら料理するのを見ているうちに、
玉ねぎはバワン(Bawang)、切るはポトン(potong)と
何となく分かるようになってきた。
それと同時に、大体の基本の作り方と要領も分かってきたので
あとはレシピブックを買って、試行錯誤しながら料理をしていた。
今思い返すと、亡き義母との良い思い出のひと時だった。
私にとってのマレーシアの家庭料理の味は、義母の味なので
実は親戚の中で、私が一番、義母の味を継いでいる。
たまに親戚一同が集まる時、義母に習った料理を作ると
夫の兄弟が「懐かしい味だ」と言いながら、大喜びで食べてくれる。
そういう時は狭い我が家に30人以上が集まったりするので
まるで炊き出しのように、大量の料理を作る羽目になるのだが。
画像は、マレー系家庭の必需品 ドゥスン(dusung)
英語でクロックと呼ばれる石臼である。
これは、実際我が家で使っているものだ。
これで唐辛子や、玉ねぎなどを叩き潰して薬味を作ったり
カレーの基本にする。
かなり重いので、うっかり足の上に落とすと骨折することがある。
実際、知人の日本人女性はドゥスンを足の上に落としてしまい
小指を骨折した。
我が家のドゥスンは直径20センチほどの小ぶりのもの。
突き棒の親指が当たる部分は、うっすらと凹んでいる。
この窪みは、私が20年以上ここで暮らした証でもある。
最近はブレンダーを使う事が多くなり
ドゥスンを使う機会は減った。
今週末は久しぶりに、ドゥスンを使って、のんびりと料理をしてみようかと思う。
マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana
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