2018年11月30日金曜日

So Kateの威力

プロフィール写真の撮影二日前に
出会ってしまったSo Kate.

最初は足に馴染んだJimmy Chooで
撮影に臨もうと思っていたのに。
美しき変態靴を迎えてしまい
もはやSo Kate以外での撮影は考えられなくなってしまった。




撮影の場所は銀座。
当日は最初にメイクアップ、ヘア、撮影担当の3人の方と
イメージなどを軽く打ち合わせをした。
私は、キリッとしつつエレガンスを感じさせたいこと
上半身のショットでは、薔薇を持ちたいこと
そして
ハイヒールコーチをしているので、この靴を履きます。
そう言ってSo Kateを見せた。

その瞬間、場の空気が一気に変わった。

担当してくださる3名の緊張感が、グッと高まったのを感じながら
この靴のイメージで、赤と黒で行きたいから
リップをこの赤に合わせて欲しい。
全身のショットは、ヒールの高さとレッドソールが際立つように。
そう伝えると、カメラマン氏の目が明らかにキラリと光った。


やはりSo Kateのインパクトは大きいようで
ヘアメイク中に担当のお二人から、ハイヒールコーチの仕事や
ルブタンのハイヒールについて色々と質問をされた。

そしていよいよ撮影。

私はモデルではなく一般の主婦で会社員で
このような撮影は全く初めてだった。
ポージングなども習ったことはない。

だから撮影のためのテクニックは、ほぼゼロ。
ただ、今までに習得した体のポジション、立ち方など繊細に気を配り
私の世界観を撮るのだ、という意識だけはぶれないようにした。
ルブタンの靴に負けないように。


まずは上半身のショットを撮影し、続いて全身ショット。
ヒールの高さとレッドソールが際立つ角度はどこか。
カメラマンのSさんはベストな角度を決めるために
何度もテストをしてくださった。

最終的には、カメラに向かってほぼ真横に立ち
そこから腰に手を当てて上半身を捻ってゆきながら撮影をした。

全ての撮影を終え、最終的に選んだ2枚の写真が
先日公開した、こちらの2枚である。











Sさんが全身ショットの写真を見ながら
「皆、付いていらっしゃい!という感じですね。」
と仰ったのは笑ったが
これは、一番最後に撮影した一枚だった。

購入したばかりで足に馴染んでいないSo Kateは
そろそろ限界で、かなりしんどかった。
それを堪えて、更に肘を引き
身体に震えが走るほど、上半身をグッと捻ったラストショット。
その緊張感が、Sさん曰く「付いていらっしゃい!」な
雰囲気になったのかもしれない。



柔らかさのある表情の半身と、緊張感のある全身。
静と動だな、と思った。

ハイヒールの哲学では、歩きは単なる歩きではなく
膝の抑揚で静と動を表現してこそ
深みのある歩きとなる。

静と動 男性性と女性性
誰の中にも必ずある二つの要素。
特に意識した訳ではないが、図らずもこうして
写真として表現できたのが嬉しかった。

何よりも、自分にも表現したい世界があり
それを形に出来たのが、本当に嬉しかった。
これにはSo Kateの力が大きかった。
あの時、安全を狙って今の自分でも履けそうな靴を選んでいたら
この雰囲気は出なかっただろうと思う。
美しいものには、強いパワーがある。


表現したいものがあるなら
今の自分に出来るギリギリのところ
そこから更に少し先を狙って挑戦すること。

そのように挑戦したものには
凝縮されたエネルギーが宿っている。



マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana





2018年11月29日木曜日

美しき情熱再び - Yukikoさん

火曜日はBelle PassionのYukikoさんとのExchangeであった。

Parisから帰国されたばかりだと言うのに
Exchangeに臨まれ、もちろんお仕事も通常通りこなし
先ほどBlogを拝見したところ、プレタポルテレッスンまで
こなされていたとは。
これほど色々とこなされているとは
きっとお疲れだったのではと想像するが
Exchangeでは、疲れた気配など微塵も見せなかったYukikoさん。
まさにスーパーウーマン、と舌を巻いた。


Yukikoさんとお会いしたのは、随分前のような気がしたが
実は、たった2ヶ月前の出来事だった。
2ヶ月ぶりにお会いしたYukikoさんは、美しさに磨きがかかり
特にお声と話し方が素晴らしくて
声の哲学を相当研究され、実践していらっしゃるのだろうと思った。

今回はひとつ、実験を取り入れてみたのだが
突然の申し出にもかかわらず、にこやかに応じてくださった。
実験が上手く行ったかどうかはまだ分からないが
やってみなければ何も分からないので
お付き合いくださったYukikoさんの度量の広さに
心から感謝を申し上げる。



Exchange終了後は、先日訪れた宮島のお話などをさせていただき
宮島がとても素晴らしかったこと、また絶対に訪れたいことなどを
熱く語らせていただいた。


Yukikoさん、美しく濃いひとときをありがとうございました。


マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana








2018年11月27日火曜日

愛する変態靴

昨日は流石に、もしかしたらお叱りのメールが入っているのではと
恐る恐るメールチェックをしたのだが
幸い、ルブタンの靴を愛する方々からの
抗議のメールは入っておらず
皆様の広いお心に、ほっと胸を撫で下ろした。


胸を撫で下ろしたばかりでまた
このようなタイトルで、大変恐縮なのだが
今日はファーストルブタンとの出会いを綴ってみようと思う。


ドキドキしながらルブタンのブティックへ足を踏み入れた
友人二人と私。
実はその前にメンズのブティックに入ってしまい
丁重に、レディースはあちらです、とご案内されるという
恥ずかしい事をしでかしていた。


ブティックに入ったはいいものの、
初めて来ましたという、おのぼりさんオーラ満載なのが
自分でも分かるという情けなさ。

担当してくださったのは
レオパード柄のコートに
スパイク付きのローファーが素敵な
Oさんという男性の販売員さんだった。

開き直って、「ルブタンは初めてです。」と言った私に
Oさんは大変親切かつ丁寧に、接客をしてくださった。


今まで雑誌やネットで何度も目にしていたが
実物はそれとは比較にならない程
美しく、圧倒されるエネルギーを放っていた。
ルブタンの靴は芸術品。
常々師匠が仰っていた通りだった。

暫くうっとりと見とれていたが
気になる物がございましたら
どうぞお試しください。と声をかけられて、
ハッと我に返った。



まずは12cmのプラットフォームを試着。
そして、10cmのクラシカルタイプも試着させていただいた。
思ったよりもすんなりと、足になじむ感覚がした。
友人達も、いいんじゃない。と言ってくれた。

Oさんはとても親切で、
どう見ても大人買いなどしなさそうな私達に
こんなデザインもございます。
こちらも大変美しいです。
と、次々とバックヤードからSpecial Editionの靴を
持ってきては見せて下さった。

中でも、ゴールドに輝く美しいクロコのパンプスは
試着させて戴いた瞬間、あまりの美しさに震えが走ったし
友人はホログラムスパイクの付いた10センチヒールを試着し
これ欲しい!と叫んでいた。



さて、肝心の私の靴だが
12センチのプラットフォームにほぼ、決めかけていたが
(最初は試着だけ、と思っていたはずなのに!)

どうしても目の端に写って、気になる靴があった。

それは12cmのSo Kate。
究極に細いピンヒールとシャープなポインテッドトゥの
クラシックタイプ。

足幅の広い私には、まず無理だし
師匠にも、ルブタンの12センチのクラシックタイプは
今までとは全くレベルが違う、と釘を刺されていたので
最初から選択肢には入れていなかった。


だがどうしても気になる。


駄目でもともと。
ここまで来て、足を入れずに帰っては絶対に後悔する。
意を決して足を入れてみると、かなりきついが入った。

ハーフサイズ上げてみると、なんとかいけそうな感触。

立ち上がり鏡を見た瞬間、
もうこれしかない!と心の中で叫ぶ声が聞こえた。


So Kateを履いた後で、先ほど試着した12cmのプラットフォームを
再び履くと、明らかにエネルギーが違う。
プラットフォームは直ぐに私に馴染んでくれそうな
親しみやすさがあるが、
So Kateは「私を履きこなせるかしら」と言わんばかりなのだ。
だが格段の美しさとセクシーさで圧倒させられてしまう。
どうにも抗えず、惹き付けられる異常なエネルギーがあるのだ。

何度も何度も、So Kateとプラットフォームを履き比べては迷った。
足は入ったが、立てはしたが
So Kateで歩けるとは限らない。
安全を狙うならプラットフォームがいいのではないか。
そう囁く声がする。

だが、記念すべきファーストルブタンで
安全を狙いたくなかった。
履きこなせるかどうか、全く未知ではあるが
この靴に挑戦してみたい。


迷いに迷って、結局は先ほどの心の叫びに従い、So Kateを迎えた。


最初は試着だけ、と思っていたはずなのに。
購入するなら、日常にも履けそうなものを、と
思っていたはずなのに。
よりによって、難易度の高いものを迎えてしまうとは。
何と言う恐るべき靴か。

つれないと分かっていても美女に貢いでしまう
殿方のお気持ちが、ほんの少しだけ分かった気がした。


ようこそ、私の愛する美しき変態靴。ファーストルブタン。


そして私は、二日後の写真撮影で
この美しい靴に、大いに助けられることになる。




マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana





























2018年11月26日月曜日

生き様から学ぶ -Asami Parisセミナー

昨日の夕方 
Asami-Parisのセミナーに参加させていただいた。

実は直前まで仕事が入っており
間に合うかどうか、帰宅途中の車の中でハラハラしたが
開始10分前に帰宅し、PCを開くと同時にコールが入るという
絶妙なタイミングだった。

画面を開くとそこには、師匠をはじめ
コンサルティングの先輩であるneneさん
(髪を切られて、軽やかなお美しさが増されていました。)

初めてお顔を拝見した同期のMakiさん
(爽やかで知的なお美しさの女性でした!)

師匠のオートクチュールのクライアント様
(別のセミナーで同席させていただいたことがありました。)

そして大・大・大ファンであり、心から尊敬するMaglieさん
お顔があった。
(Maglieさんはアイコンでした。)



ギリギリの帰宅だったため、メイクを直す時間が無く
若干ドロっとした、残念な顔で画面に顔出ししてしまったのだが。

セミナーは深い学びと共に多くの笑いもあり
終了後に鏡を見たら、笑いすぎのため
既に崩れていたメイクが
更に酷いことになっていた。(苦笑)


セミナーでは異国でビジネスを立ち上げられた
師匠の経験に基づくお話に加え
Maglieさんの貴重なお話も伺うことが出来た。

ビジネスとは愛であるが、お花畑ではなく
決めたら迷わない覚悟と
ひたすら地道な作業の繰り返しであること。

自分を成長させる価格設定

エゴと向き合い、常に成長するために
心がけていること


数々の貴重なお話を伺うことができた。
何よりも、今回のセミナーで一番得たもの。
それは、一流のお仕事をされているお二人の女性から
生の声とエネルギーで、リアルタイムにお話を伺えた事であった。

どんなノウハウよりも、ビジネス書よりも
実際に地を這うような経験をされ
全てを血肉とされてきた方の実体験から
学ぶものは大きく、深い。

何を学ぶか、誰から学ぶか。
学びの質を決めるのは、「誰から学ぶか」が
非常に大きいと感じている。


師匠とMaglieさん、お二人から共通して感じたことは
愛、ご自身への誇り、誠実さ、謙虚さとあらゆるものへの敬意。

一流の方に共通するもの。
ここに触れられたことが、何よりも素晴らしく
同じセミナーの場に参加させていただいて
本当に幸せであった。



さて、インプットしたらアウトプット、が鉄則なので
昨日学んだことを自分に落とし込んで行動するのみである。


マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana





2018年11月25日日曜日

変態靴を迎えた日

今日のBlogは、クリスチャン・ルブタンの靴を愛する方々から
お叱りを受けそうな単語が登場する。
だがそれは決して悪意からではなく
私の愛と敬意を込めての表現であることを
予めお断りしておく。


最近 友人と私の間でブームになっている単語がある。
その単語とは、「変態」。
この単語がブームになったきっかけは
クリスチャン・ルブタンのブティックを訪れたこと。


マレーシアにはルブタンのブティックが無いため
一時帰国の際に、ルブタンのブティックに行くと決めていた。
購入するかどうかはともかく
足を入れるだけでもやってみようと思ったのだ。
しかし一人でルブタンの路面店を訪れるのは
さすがの私も腰が引けてしまい(笑)
友人にお願いして、一緒に来てもらった。


かくして、友人二人と私は恐る恐る
銀座にあるルブタンのブティックに足を踏み入れたのだが。

そこには、めくるめく世界が待っていた。



どんな世界だったかは改めて綴るが
結果から言うと、足を入れるだけでも…のはずが
気が付いたらファーストルブタンを迎えていた。

靴1足に10万円近く支払うなど
今までの私からしたら気違い沙汰で
清水の舞台かエッフェル塔から
ルブタンの靴を抱えて飛び降りたような気分だった。

そんな私に、友人がこう言った。
「変態靴、買っちゃったね。」


全くその通りで
ルブタンの靴には、変態的なエネルギーがあると思った。
一度味わったらもう元には戻れない。
ようこそ変態ワールドへ。
そんなエネルギーの靴なのだ。

変態ではあまりにも響きが宜しくないなら
偏愛、とでも言い換えようか。
靴と美に対する絶対的な偏愛。
フェティッシュな愛があるからこそ
ルブタンの靴はひときわ際立って美しく
他のブランドとは違う世界に君臨しているのだ。


私は、変態的であるとか偏愛は
アーティストには欠かせないものだと思っている。
だから、美しいものに限ってだが
変態という単語は、私にとっては賛辞なのである。


愛する変態靴。ファーストルブタン。


次回は、この靴を購入した顛末を綴ってみようと思う。


マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana























2018年11月24日土曜日

旅について

10月の一時帰国の際、かねてから行きたいと思っていた
広島県の宮島と鞆の浦(仙酔島)に旅行をした。

一時帰国も旅行と言えばそうかもしれないが
片付けなければいけない用事があったり
両親に会いに行ったりして
純粋に楽しむための旅行 それも一人旅は
本当に何十年ぶり、だったかもしれない。


実は神戸より西に行った事のなかった私。
初めての宮島は、お天気も良く素晴らしい旅だった。
紅葉にはまだ早かったが、秋らしい爽やかな空気の中を散策し
美味しいものを食べ、充分に楽しんだ。




私は旅が好きだ。
だから、あちこち飛び回りながら仕事をし
旅をしながら自由に生きるのが憧れなのだ。

好きなのは歴史のあるところ
文化が交じり合っているところ
そして景色、特に海が綺麗なところ。

だから欧州を隈なく周ってみたいし
トルコやモロッコにも行きたいし
ハワイでスキューバダイビングや、イルカと泳いでみたい。
スキューバダイビングとイルカは、55歳までに実現させたい。

死ぬまでにピラミッドとサクラダファミリアと
アンコールワットは絶対に見に行きたい。

日本国内も行きたいところがたくさんある。




お気楽な人、と思われるかもしれないが
旅する人生を想像すると、楽しくて仕方が無い。

それは、楽しい事を想像するのさえ
出来なかった時期があったから。

悩みに囚われて、毎日頭を押さえつけられるような
目の前の些細なことに怯えていた時期があった。
やりたいこと、欲しいもの、行きたいところ
そんな事が全く考えられなくなって
人生が灰色に塗りつぶされていた。


だから今、お気楽と言われようが何だろうが
やりたいこと、楽しいことは沢山想像することにしている。
楽しい事を想像できるようになった幸せに感謝しながら。



人生もまた、旅のよう。
旅の途中で人と出会い、別れ
時にアクシデントもあるが
様々な経験をして、旅のゴールへ向かっていく。
「死」という人生の旅の終着点に着いた時
いい旅だった!と笑ってゴールを決めたい。



今日もまた、あちこちぶつかったり転んだりしながら
人生というアドベンチャーワールドの旅は続いていく。






マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana










2018年11月23日金曜日

勇気を出して 自分の人生を生きると決める

昨日は娘の卒業式だった。
ついこの前、小学校に入学したばかりだったのに
時の経つ速さには驚くばかりである。

娘が生まれてからの12年。
この12年間はまさに、怒涛の日々だった。
娘の小学校卒業とともに、私も人生のひとつの区切りを終えた。
そんな気がする。


昨日、ふと思い立って ある方に電話をしてみた。
その方は私の父と同い年で
80歳を越えてなお、現役でご活躍なさっているカウンセラーの方である。


先日公開した7年前の写真



7年前の写真に写る私は、どことなく疲れた顔をしている。
だが本当の試練は、この写真を撮った数ヵ月後に始まった。
仕事の悩み、子育ての悩み、人間関係。そしてパワハラ。
様々な悩みと問題が、一気に押し寄せてきて
私は完全に、悩みに乗っ取られて萎縮し
生きるのが辛かった時期だった。
実際、もう生きていたくないと思っていた時期だったのだ。

約1年続いた、人生最悪の時期。
その終りに、この方のブログにたどり着き、
縋り付くように国際電話をかけて、お話をさせていただいた。



ご高齢のカウンセラーは、私の話を優しく聞いてくださり
そして、穏やかな声で ご自身の経験を話してくださった。

幼少の頃、お父様が沖縄戦で自決なさったこと。
戦中、戦後、お母様がご苦労されたこと。
ご結婚後、必死で良き妻、良き母、良き嫁であろうと頑張りすぎ
お姑様の介護で疲れ果て、命を手放そうとなさったこと。

「その時、ああ、私の命は、誰かのために死ぬために
生まれてきたんじゃない。って思ったの。」


だからあなたも勇気を出して、自分の人生を生きると決めるのよ。


今日のタイトルは、その時 その方から戴いた言葉。
生涯、決して忘れないであろう、大切な言葉だ。



自分の人生を生きると決める。
そう決めた二日後、奇跡が起きた。

それはキラキラした奇跡ではなく
火山が爆発したかの如くの怒りと、痛みと
左目が晴れ上がる怪我を伴うものであったが。

間違いなく、この言葉のおかげで
人生の線路が ガチャンと音を立てて切り替わった。



あれから様々な出会いがあり
ハイヒールの哲学と出会い
私はハイヒールコーチになった。

懐かしいカウンセラーの方に、ハイヒールコーチになったことを報告すると
わが事のように喜んでくださった。
おめでとう、素晴らしいわ。かっこいいねえ、良かった良かった。

そして数年前と同じように
未来への道しるべになるような
心の篭ったエールを、たくさん、たくさん贈ってくださった。


Nanaちゃまが、ハイヒールのお仕事をしっかりされることが
大勢の女性を美しくするの。
50代はね、人生で一番 エネルギーが美しいんです。
そのエネルギーを余すところ無くお使いになって
次は 美しい60代のお姿を見せておあげなさい。

それを過ぎると、70、80代は本当にいい年代ですよ。
だから、良い70、80代を目指して
誇りを持って、しっかりご活躍なさいませね。


人生の大先輩からいただいた
宝物のようなお言葉を胸に刻んで
私も生涯現役で、人のお役に立ちたいと思った。



光も闇も両方を経験してやっと、
私は自分の人生を愛せるようになった。
誰のものでもない、自分の人生だから。
大切に、誇りを持って生きてゆく。



マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana


















2018年11月21日水曜日

タブーは本当はタブーではない

日曜日にベリーダンスのグループで出演したイベント。
こちらのイベントはMalaysian Menopause Society(略称MMS)主宰で
更年期に対する正しい知識を広め
更年期以降の人生を より豊かに生きようという
趣旨で毎年行われている。

私の通っているスタジオは
数年前から毎年このイベントに出演していて
私は今回が2回目の参加であった。


クアラルンプールにベリーダンス教室はいくつもあり
若いお嬢さんが大勢踊っているし
プロのダンサーもいる。

しかし、なぜ私のスタジオに毎年お声が掛かるのか。
MMSのプレジデント、産婦人科医のDr. Ho(ホー)によると
プロのダンサーではなく、
若くてピチピチした女性だけでなく(笑)
幅広い年齢の女性たちが 心から楽しんで踊っている。
その雰囲気が良いのだそうだ。

確かに、私たちのグループは
年齢も体型も様々である。

下は22歳から上は56歳まで。
未婚女性もいれば、既婚女性もおり
豊満な体型のメンバーも、私のように筋肉質な者もいる。
皆ダンスが好きで、楽しんで踊っている。
50歳の私など、まさに更年期真っ盛りで
イベントの趣旨にぴったりではないか。



特に今回、観客の絶賛を浴びたのは
妊娠7ヶ月のCheryl.
大きなお腹を見せて堂々と踊り
ステージ終了後に大勢のお客様から話しかけられていた。


ステージが始まる前、Dr.Hoと挨拶を交わした時に
ドクターがCherylに、「今何ヶ月なの?」と尋ねた。
Cherylは「7ヶ月ですが、以前8ヶ月で踊ったことがありますから
問題有りません。」と微笑みながら答えた。

ドクターはCherylの答えに、満足そうに
「今日は私も含めて、産婦人科医が何人もいるから大丈夫よ。
ここで産気づいても、すぐに対処できるから
安心して踊りなさいね。
何だったら私のクリニックで、無料で出産してもいいわよ。」
と、ユーモアたっぷりに返してくださった。

私はマレーシアの、こういう深刻ぶらないところが好きだ。
日本だったらどうかな、と思う。
妊婦は安静にしているもの。
大きなお腹を見せて踊るなんて。
もし転んだらどうするの。
そんな空気があるように思える。
そして、「何かあったら」危険だから。という理由で
出演をご遠慮いただく、ということもあるかもしれない。

だが実際は Cherylが証明したように
妊婦が踊っても何の問題も無い。
(あくまで自己責任が前提なのは言うまでもない)



更年期や閉経を迎えたら、女性として終りとか
妊婦はハイヒールを履かないほうがいいとか
ハイヒールは身体に悪いとか
色々ネガティブな情報や、タブーとされている事がある。
しかし全ては思い込みであり、
世の中のタブーの多くは、本当はタブーではないのだ。


いつのまにか刷り込まれたタブーに囚われて生きるか
思い切ってタブーを破ってでも、やりたいことに挑戦するか。
本当に自由で、軽やかな人生は
どちらの選択にあるのかは、明らかだろう。



ステージ終了後に、ブッフェランチを戴いたが
本当に多くのお客様が、私達に話しかけてくださった。
良いステージだったよ。楽しめた。
何年くらいやってるの?腰は痛くならない?
私にも出来るかしら。やってみたいわ。
妊婦さんのダンス、とっても素敵だった。元気な赤ちゃんを産んでね。
また来年も踊ってね。

そんなお声の数々をいただき
私達は幸せな気持ちで帰路についた。



マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana
















2018年11月20日火曜日

魂が震えるもの

昨日の日曜日。
午後は、あるイベントにベリーダンスグループとして出演し
夜はLe son de la Merの千葉 海音さんのインターネットライブを拝聴した。

ダンスと音楽という、好きなことふたつで満たされた
幸せな日曜日だった。


海音さんのインターネットライヴは、予想以上に素晴らしく
私は一気に、海音さんのファンになってしまった。
1曲ごとに、がらりと変わる世界観
低く響く声で発せられる 美しい言葉
言語が何語であっても、言葉の持つ「音」が美しい。

そして、「間」の素晴らしさ。
この「間」と呼吸を自在に操る海音さんは
本物のアーティストなのだと感じた。



私の母は昔、洋画の映画音楽やジャズ、シャンソンが好きだった。
実家には母が青春時代に買った、越路吹雪や
フランス語の原曲で歌われたシャンソンのレコードがあった。


だが年老いた母は認知症になり
あれほど好きだったシャンソンやジャズでさえ
すっかり忘れ去ってしまった。
今 母が口ずさむのは、デイケアの施設で歌っている
古い文部省唱歌だ。

海音さんが歌う、シャンソンのスタンダードナンバーを聴きながら
ふと
母にも聴かせてあげたかったな、と思った。
元気だったころの母ならきっと
海音さんのファンになっていたに違いない。



ライヴの終盤 海音さんの自作曲の演奏では
圧倒されるほどのエネルギーに 思わず涙が零れた。


まさに 魂を震わせる声


人生において
思わず微笑みが浮かぶ 幸せな日々もあれば
ばっくりと開いた傷口から
血を流しながら歩かねばならない時もある。
力尽きて地に倒れ、そのまま傷ついた動物のように
傷口を舐めながら 蹲まるしかない時もある。

それでも

例えば
道に倒れて閉じていた目を
開いた時に映った小さな花

項垂れながら歩いていた夜道で
見上げた月と星の光


そんなものの美しさに 魂が震えた時
ここからまた、生きていこう。

そう思えるのだ。


だから私は、美しいものを愛し
美しいものを美しいと感じられる感性を
大事にしている。


美しいものは 魂を震わせ
人生に力を与える

そして、美しいものは美しいものを呼ぶ。



海音さんの音楽も
私が出会った 魂を震わせる美しいもののひとつだった。

この出会いに 心からの感謝を。




海音さんは27日にもインターネットライヴをされます。
何をおいても、彼女の世界に触れてみることを
心からお勧めいたします。

(千葉 海音さん インターネットライブの詳細はこちらから。)


マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana



















2018年11月17日土曜日

人生は本当に変えられる

私は今年の春 50歳を迎えた。

私の人生は、50歳でがらりと変わった。
自分がハイヒールを履き、しかもコーチとして
人様に教えるようになるなど
わずか1年前には想像もしなかったことだ。


人生は本当に変えられる。


文字で綴っても、ピンとこないと思うので
今日は恥ずかしながら
証拠写真をお見せしたいと思う。








42歳の私。
先日、母の部屋を片付けていて見つけた。

懐かしさと同時に、うわっ、と思った。
顔は確かに、今より若いのだが
今よりずっと老けた印象だ。

我ながら衝撃だったので
この写真を色々な人に見せたのだが
今の私しか知らない人は、皆一様に、
「えっ……。」
と絶句するのが面白かった。
それくらい老けて見えるらしい(苦笑)



あの頃、夫が中東に単身赴任をしており
私はフルタイムで働きながら、3人の子育てに奮闘していた。
仕事は納期に追われる仕事で
万が一にも納期に遅れてはならず
常にそのことが頭から離れなかった。

加えてまだ幼い娘と、小学生だった息子二人
一体どうやって乗り越えていたのか。
今思い返しても、苦しい思い出しかなかった時期なのである。

そのせいか、疲れた顔をしているし
丸まった肩と、落ちたみぞおちの辺りが尚更
お母さん、お疲れね、という感じなのだ。




そしてこちらが現在の私







靴と言えばフラットシューズかスニーカー。
家では裸足で、近所へはビーチサンダル。
ヒールは5センチが限界で、1年に1-2回履くだけだった。
つい1年前まではそうだった。

そんな私が、今はハイヒールコーチである。

ピンヒールを履いて
姿勢は格段に良くなり、
以前はコンプレックスだった脚が気にならなくなった。
ミニスカートが堂々と履けるようになった
「格好良いですね」と言われることが多くなった。



人生は自分で変える事ができる。
生きた証拠がここにいる。



どんなに苦しかった過去も、あの時の自分があるから
今の自分がある。
老けて、ボーッとした印象の42歳ではあったが
あの頃、必死で頑張った私だって
紛れも無い私自身。


人生には波があり、タイミングがある。
年齢は、それだけ経験を重ねてきたという
誇らしい勲章。
足枷ではない。

自分の人生を変えたいと思ったら
その時がタイミングなのだ。

飛び込む勇気と、人生を変える努力
必要なのはそれだけ。




人は、何歳からでも変わることが出来る。
50歳でも、60歳でも。

色々なことを乗り越えてきた
成熟した女性の美しさとエレガンスを
若い世代に見せてあげましょう。
私は、同世代の女性にそう言いたい。


そして、未来への時間がたくさんある若い女性へは
今から一歩一歩を大切に。
美しいハイヒールと共に
あなたの豊かで美しい未来を 歩んで行きましょう。
そんな言葉を贈りたい。



年齢や、周りの評価
そんなものに振り回されず
美しく生きることは
こんなにも自由で
喜びに溢れている。

あなたも そう生きていい。


 


マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana











2018年11月15日木曜日

フライト中こそハイヒールを

「日本の方は飛行機に乗る時に、楽であることを優先しますが
空港やフライト中こそエレガンスであるべきなのです。」

先月のAsami Parisセミナー「自信の美学」での一言である。

一時帰国のため、まさに翌日 飛行機に乗る予定だった私は
「……。」
と、内心冷や汗をかいていた。

何故なら師匠のご指摘どおり、長時間のフライトに備えて
まさに「楽」な格好をしようと思っていたからだ。
思わず沈黙してしまい、師匠に
「Nanaさん、固まっていますが 大丈夫ですか?」
と 尋ねられたほどだ(笑)


ズバリのタイミングであったため
ものは試し。
翌日のフライトはハイヒール(8センチ)で過ごしてみることにした。
人生初の、ハイヒールでの搭乗である。
ついでにジーンズの予定も、ストレッチのミニスカートに変更した。



クアラルンプールから羽田空港まで約7時間。
いつもフラットシューズで搭乗していたが
パンパンに足がむくみ
脱いでいた靴を着陸前に履きなおす時は
無理矢理、足を靴に押し込んでいた。

ではハイヒールではどうだったのか。


結論から申し上げると
ほとんど浮腫みは無く、全く問題無かったのだ!


飛行中でもハイヒールで正しく歩けば
足は浮腫まないとは聞いていたが
正直半信半疑だったのだが(ごめんなさい)
見事に証明されたことになる。



ただひとつ、失敗したのは
機内持ち込みの荷物が多すぎたこと。
搭乗口まで歩く時
あろうことか、荷物の重さにバランスを崩し
ハイヒールでよろけるという失態を犯した。

しまった、と思ったが後の祭り。
次回は機内に持ち込む本を減らすことにしよう。


ちなみに帰りの便は、荷物が多すぎて
ハイヒールではさすがに危険なため
潔く諦めてフラットシューズで搭乗した。


結果、パンパンに浮腫んだ足が再登場し
あまりのきつさに、フラットシューズを履いた足を引きずりながら
大きなスーツケース2個を運ぶ羽目になった。



次回への覚書

1.機内持ち込みバッグには、最小限の厳選した物を。

2.帰りは荷物を預けるまではフラットシューズ
チェックイン以降はハイヒールに履き替える。



マレーシア クアラルンプールより愛を込めて




2018年11月8日木曜日

与えられすぎは危険

半月近くもBlog更新が滞ってしまったが
先日、無事一時帰国から マレーシアへ戻ってきた


今回は、マレーシアに戻って直ぐ
仕事や子供のことで色々あり
以前のリズムに戻るのに、いつもより時間がかかってしまった。
書きたいことは色々あるので
これから徐々に書いていこうと思う。



さて、一時帰国であるが
すっかり日本人感覚が抜けてしまっているからか
たまに日本に滞在すると、日本人でありながら
「不思議の国ニッポン」を体感することになる。


例えば、毎回感じるのが
電車や駅での、アナウンスの多さ。
空港から最寄り駅までの間 
ずうっと何かしらのアナウンスがされている。
それに電車の発着の音楽が合わさって
とても賑やかだ。

一体何を言っているのか
しばらく耳を傾けてみると
行き先や乗換えの案内に加えて
事故防止のためのご協力願い
席を譲り合いましょう
込み合っている時は荷物と身体を引いてください
などなど。

親切と言えば親切なのかもしれないが
本当にあんなにずっと、アナウンスし続ける必要があるのかと
思うくらい、ずっと喋っている。



人と話をしていて、絶え間の無いお喋りにつきあっていると
次第に適当に聞き流すようになるが
あれと同じで、一体どのくらいの人が
ちゃんと耳を傾けているだろうか。

あまりにもアナウンスがありすぎると
ただ聞き流すだけになってしまうのではないか。
余計なお世話ではあるが、そんなことを思った



一時帰国を終えてマレーシアに戻った時
到着サテライトとターミナルを繋ぐエアロトレインに乗る際
危うくドアに挟まれそうになった。笑


せめて発車のブザーくらい鳴らしても良さそうなものだが
いきなりドアが閉まって
見事に何もなかったように思う。
のんびり乗り込もうとしていた私は
危ういところで車内に滑り込んだ。


エアロトレインの車内で
あー、マレーシアだなあと思い
日本の鉄道とのあまりの差に、可笑しくなった。

だがもしかしたら、わずか2週間あまりの間に
日本式の「何でもアナウンス」に
私の脳が侵されてしまったのかもしれない。

ふと、そう感じてゾクっとした。
一方的に与えられっぱなしの状態は
確実に思考力や、勘ばたらきを奪う。

少し足りないくらいのほうが
足りないものを埋めようとして
自らの脳を使うものだ。



何でも腹八分目
少し余白があるほうが良い。



マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana