2018年11月30日金曜日

So Kateの威力

プロフィール写真の撮影二日前に
出会ってしまったSo Kate.

最初は足に馴染んだJimmy Chooで
撮影に臨もうと思っていたのに。
美しき変態靴を迎えてしまい
もはやSo Kate以外での撮影は考えられなくなってしまった。




撮影の場所は銀座。
当日は最初にメイクアップ、ヘア、撮影担当の3人の方と
イメージなどを軽く打ち合わせをした。
私は、キリッとしつつエレガンスを感じさせたいこと
上半身のショットでは、薔薇を持ちたいこと
そして
ハイヒールコーチをしているので、この靴を履きます。
そう言ってSo Kateを見せた。

その瞬間、場の空気が一気に変わった。

担当してくださる3名の緊張感が、グッと高まったのを感じながら
この靴のイメージで、赤と黒で行きたいから
リップをこの赤に合わせて欲しい。
全身のショットは、ヒールの高さとレッドソールが際立つように。
そう伝えると、カメラマン氏の目が明らかにキラリと光った。


やはりSo Kateのインパクトは大きいようで
ヘアメイク中に担当のお二人から、ハイヒールコーチの仕事や
ルブタンのハイヒールについて色々と質問をされた。

そしていよいよ撮影。

私はモデルではなく一般の主婦で会社員で
このような撮影は全く初めてだった。
ポージングなども習ったことはない。

だから撮影のためのテクニックは、ほぼゼロ。
ただ、今までに習得した体のポジション、立ち方など繊細に気を配り
私の世界観を撮るのだ、という意識だけはぶれないようにした。
ルブタンの靴に負けないように。


まずは上半身のショットを撮影し、続いて全身ショット。
ヒールの高さとレッドソールが際立つ角度はどこか。
カメラマンのSさんはベストな角度を決めるために
何度もテストをしてくださった。

最終的には、カメラに向かってほぼ真横に立ち
そこから腰に手を当てて上半身を捻ってゆきながら撮影をした。

全ての撮影を終え、最終的に選んだ2枚の写真が
先日公開した、こちらの2枚である。











Sさんが全身ショットの写真を見ながら
「皆、付いていらっしゃい!という感じですね。」
と仰ったのは笑ったが
これは、一番最後に撮影した一枚だった。

購入したばかりで足に馴染んでいないSo Kateは
そろそろ限界で、かなりしんどかった。
それを堪えて、更に肘を引き
身体に震えが走るほど、上半身をグッと捻ったラストショット。
その緊張感が、Sさん曰く「付いていらっしゃい!」な
雰囲気になったのかもしれない。



柔らかさのある表情の半身と、緊張感のある全身。
静と動だな、と思った。

ハイヒールの哲学では、歩きは単なる歩きではなく
膝の抑揚で静と動を表現してこそ
深みのある歩きとなる。

静と動 男性性と女性性
誰の中にも必ずある二つの要素。
特に意識した訳ではないが、図らずもこうして
写真として表現できたのが嬉しかった。

何よりも、自分にも表現したい世界があり
それを形に出来たのが、本当に嬉しかった。
これにはSo Kateの力が大きかった。
あの時、安全を狙って今の自分でも履けそうな靴を選んでいたら
この雰囲気は出なかっただろうと思う。
美しいものには、強いパワーがある。


表現したいものがあるなら
今の自分に出来るギリギリのところ
そこから更に少し先を狙って挑戦すること。

そのように挑戦したものには
凝縮されたエネルギーが宿っている。



マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana





2018年11月29日木曜日

美しき情熱再び - Yukikoさん

火曜日はBelle PassionのYukikoさんとのExchangeであった。

Parisから帰国されたばかりだと言うのに
Exchangeに臨まれ、もちろんお仕事も通常通りこなし
先ほどBlogを拝見したところ、プレタポルテレッスンまで
こなされていたとは。
これほど色々とこなされているとは
きっとお疲れだったのではと想像するが
Exchangeでは、疲れた気配など微塵も見せなかったYukikoさん。
まさにスーパーウーマン、と舌を巻いた。


Yukikoさんとお会いしたのは、随分前のような気がしたが
実は、たった2ヶ月前の出来事だった。
2ヶ月ぶりにお会いしたYukikoさんは、美しさに磨きがかかり
特にお声と話し方が素晴らしくて
声の哲学を相当研究され、実践していらっしゃるのだろうと思った。

今回はひとつ、実験を取り入れてみたのだが
突然の申し出にもかかわらず、にこやかに応じてくださった。
実験が上手く行ったかどうかはまだ分からないが
やってみなければ何も分からないので
お付き合いくださったYukikoさんの度量の広さに
心から感謝を申し上げる。



Exchange終了後は、先日訪れた宮島のお話などをさせていただき
宮島がとても素晴らしかったこと、また絶対に訪れたいことなどを
熱く語らせていただいた。


Yukikoさん、美しく濃いひとときをありがとうございました。


マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana








2018年11月27日火曜日

愛する変態靴

昨日は流石に、もしかしたらお叱りのメールが入っているのではと
恐る恐るメールチェックをしたのだが
幸い、ルブタンの靴を愛する方々からの
抗議のメールは入っておらず
皆様の広いお心に、ほっと胸を撫で下ろした。


胸を撫で下ろしたばかりでまた
このようなタイトルで、大変恐縮なのだが
今日はファーストルブタンとの出会いを綴ってみようと思う。


ドキドキしながらルブタンのブティックへ足を踏み入れた
友人二人と私。
実はその前にメンズのブティックに入ってしまい
丁重に、レディースはあちらです、とご案内されるという
恥ずかしい事をしでかしていた。


ブティックに入ったはいいものの、
初めて来ましたという、おのぼりさんオーラ満載なのが
自分でも分かるという情けなさ。

担当してくださったのは
レオパード柄のコートに
スパイク付きのローファーが素敵な
Oさんという男性の販売員さんだった。

開き直って、「ルブタンは初めてです。」と言った私に
Oさんは大変親切かつ丁寧に、接客をしてくださった。


今まで雑誌やネットで何度も目にしていたが
実物はそれとは比較にならない程
美しく、圧倒されるエネルギーを放っていた。
ルブタンの靴は芸術品。
常々師匠が仰っていた通りだった。

暫くうっとりと見とれていたが
気になる物がございましたら
どうぞお試しください。と声をかけられて、
ハッと我に返った。



まずは12cmのプラットフォームを試着。
そして、10cmのクラシカルタイプも試着させていただいた。
思ったよりもすんなりと、足になじむ感覚がした。
友人達も、いいんじゃない。と言ってくれた。

Oさんはとても親切で、
どう見ても大人買いなどしなさそうな私達に
こんなデザインもございます。
こちらも大変美しいです。
と、次々とバックヤードからSpecial Editionの靴を
持ってきては見せて下さった。

中でも、ゴールドに輝く美しいクロコのパンプスは
試着させて戴いた瞬間、あまりの美しさに震えが走ったし
友人はホログラムスパイクの付いた10センチヒールを試着し
これ欲しい!と叫んでいた。



さて、肝心の私の靴だが
12センチのプラットフォームにほぼ、決めかけていたが
(最初は試着だけ、と思っていたはずなのに!)

どうしても目の端に写って、気になる靴があった。

それは12cmのSo Kate。
究極に細いピンヒールとシャープなポインテッドトゥの
クラシックタイプ。

足幅の広い私には、まず無理だし
師匠にも、ルブタンの12センチのクラシックタイプは
今までとは全くレベルが違う、と釘を刺されていたので
最初から選択肢には入れていなかった。


だがどうしても気になる。


駄目でもともと。
ここまで来て、足を入れずに帰っては絶対に後悔する。
意を決して足を入れてみると、かなりきついが入った。

ハーフサイズ上げてみると、なんとかいけそうな感触。

立ち上がり鏡を見た瞬間、
もうこれしかない!と心の中で叫ぶ声が聞こえた。


So Kateを履いた後で、先ほど試着した12cmのプラットフォームを
再び履くと、明らかにエネルギーが違う。
プラットフォームは直ぐに私に馴染んでくれそうな
親しみやすさがあるが、
So Kateは「私を履きこなせるかしら」と言わんばかりなのだ。
だが格段の美しさとセクシーさで圧倒させられてしまう。
どうにも抗えず、惹き付けられる異常なエネルギーがあるのだ。

何度も何度も、So Kateとプラットフォームを履き比べては迷った。
足は入ったが、立てはしたが
So Kateで歩けるとは限らない。
安全を狙うならプラットフォームがいいのではないか。
そう囁く声がする。

だが、記念すべきファーストルブタンで
安全を狙いたくなかった。
履きこなせるかどうか、全く未知ではあるが
この靴に挑戦してみたい。


迷いに迷って、結局は先ほどの心の叫びに従い、So Kateを迎えた。


最初は試着だけ、と思っていたはずなのに。
購入するなら、日常にも履けそうなものを、と
思っていたはずなのに。
よりによって、難易度の高いものを迎えてしまうとは。
何と言う恐るべき靴か。

つれないと分かっていても美女に貢いでしまう
殿方のお気持ちが、ほんの少しだけ分かった気がした。


ようこそ、私の愛する美しき変態靴。ファーストルブタン。


そして私は、二日後の写真撮影で
この美しい靴に、大いに助けられることになる。




マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana





























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