2018年6月22日金曜日

How Far I'll Go

先週末から、家族でタイのクラビへバカンスに行って来た。
マレーシアと陸続きのクラビは、飛行機で1時間20分と
国内旅行並みの時間で行くことが出来る。

クラビは雨季であり、滞在中はあいにく雨の日が多かったが
雨の合間を縫ってアイランドホッピングへ行ったり
カヤックを体験したりと、なかなかアクティブなバカンスであった。
しかもタイは食べ物が美味しく、普段の3倍は食べていたような気がする。
しっかりとタイ式マッサージもしてもらい、良いリフレッシュとなった。



このように書くと、アウトドアが大好き人間のようだが
実は私は自他ともに認めるインドア派のはずであった。
若い頃は完全インドア派で、自分が海に行ってマリンスポーツに興じるなど
全く想像できなかった。

それが昨年、インドネシアのバリで、生まれて初めてサーフィンを体験してから
がらっと変わったようである。
超初心者クラスとはいえ、49歳の初サーフィンでいきなり
サーフボードの上に立てたというのが大きな喜びであった。
そこから、「マリンスポーツは面白い。」と脳が書き換わったらしい。

今回もシュノーケリングスポットでは、真っ先に海に飛び込み
カヤックにも一番に乗り込んでワクワクしているというはしゃぎぶり。
我ながら、自分の単純さに呆れてしまった。
家族はもっと呆れていたようだが(苦笑)
呆れられようが何だろうが、楽しむべき時は思いっきり楽しんだ者勝ちなのである。



さて、ここから先は少しスピリチュアルな話となる。
私がクラビで体験した不思議な感覚のお話をさせていただく。
長いので、興味のある方のみ、お読みいただきたい。


滞在3日目
私たちは5つの島を巡るアイランドホッピングへ出かけた。
4つ目の島までは、何とかお天気が持ちこたえたのだが
最後の島に到着したとたんに、激しい雨が降り始めた。
止んだと思うとまた激しい雨が降り始め、私たちはしばらく島に足止めされていた。
ようやく わずかに雲が切れ、そのタイミングで本土に帰るために
スピードボートに乗り込んだのだが。


雨が止んだとはいえ、波はすぐ収まる訳ではなく、かなりの高波であった。
日本なら間違いなく、出航を見合わせるだろうというほどの波。
だが地元の人は慣れているのか、操縦士は平気でボートを出航させた。

予想通り波がかなり高く、ボートは揺れに揺れた。
叩きつけるような波飛沫が降りかかり、転覆するのでは?と
ヒヤッとするような揺れが何度もあった。

乗り合わせた観光客全員が顔面蒼白となり
我が家の男性陣も顔を引きつらせていた中、不思議と私は全然怖くなかった。
むしろ、荒波を切って進むのが楽しくて仕方がなかった。


私は、この感覚を知っている。


不意に、そんなことを感じた。
海の圧倒的な力を感じ、荒波に揉まれながら、ひたすら船を進めてゆく
その恐ろしさと高揚感。
この波の先に、目指すものがある。
そう強く信じる心。

私の中には、かつて同じように荒波を超え、海を渡って来た人の血が流れている。
これはきっと、その人の記憶。
不意にそう確信した。

中には旅の途中で命を落とした仲間もいただろう。
だがその人は生き延び、海を越えて日本へ辿り着いた。
何千人いるか知らないが、遠い私のご先祖様の一人。
その人がいたおかげで、今の私がここにいる。


なぜ急にそんな事を感じたのかは分からない。
私のご先祖様が海を越えて来たという証拠もない。
ただ、母方の先祖は、もともと奈良からやって来ており
その地域はかつて渡来人が入植した地域であると言われている。

遠いご先祖様に思いを馳せているうちに、ボートは無事陸に到着した。
下船してから、思わず
「このスピードボートが一番面白かった。」
と言うと、夫と息子達には呆れられたが、娘は
「(ディズニーの)モアナみたいだったよね!」
と喜んでいた。やはり私の娘である。(苦笑)



これは、単なる私の妄想だったのかもしれない。
だが、この話には続きがある。


同じ日に夕食後、街をぶらぶらとしてお土産を探した。
スーパーマーケットでタイの食品をいくつかと、ハーブティーを購入した。
何の気なしに購入したハーブティーであったが
帰ってきてよくパッケージを見ると、それは
マルベリーティー(桑の葉茶)であった。

実は、私の母の旧姓には「桑」の字が使われている。


ああ、あれは妄想ではなく、間違いなく遠い母方のご先祖様の記憶だったのだ。
ハーブティーの箱を手にしながら、私は思わず、ありがとうございますと呟いていた。


人生は航海と同じだ。
そこには輝く太陽があり、果てしなく広がる水平線があり
美しい星空や優しく癒す月もあれば、荒れ狂う暴風雨と荒波もある。
そして舵を取るのは自分であり、羅針盤は自分の魂なのだ。

人生の水平線の彼方
そこにあるのは、夢と、まだ見ぬ人生のステージ。
水平線の彼方の世界を目指して出航するか。
荒波を恐れて、港に留まるか。
どちらも、選ぶのは自分である。


今の私は、迷うことなく舵を握り、帆を広げて人生の海に漕ぎ出すに違いない。
そして必ず、何があろうとも波を超え、目指す地へと到達するのだ。
かつて、遠い昔の誰かがそうしたように。



マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana


Auli'i Cravalho - How Far I'll Go











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