人間の身体は美しい。
手元にある美術用のヌードポーズ集を眺める時。
バレリーナやダンサーの素晴らしい踊りを鑑賞する時。
人間の身体は、神様が作り上げた芸術品の一つだと強く感じる。
鍛え上げられたしなやかな筋肉は、まさに筋肉美と呼べるだろう。
いつも不思議でならないのだが、多くの日本人女性は、
顔のスキンケアやアンチエイジングには異常に気を使うのに、
身体に関しては全く無関心だ。
私も相応の年齢の女性であるので、エイジングが気になるのは分るし、
できれば、あまりシミやシワとは縁があって欲しくない(笑)
だがそれ以上に、体が老け込んでしまうこと。
こちらのほうが数倍恐ろしい。
どんなにメイクやヘアを美しく整えても、
頭が前に出すぎていたり、背中を丸めて立っていたら、
一気に老け感がでてしまって、全てが台無しとなる。
体は嘘をつけないので、自分の骨や筋肉の状態が、
正直に出てしまうのだ。
年齢が上がると、スタイルが崩れるのは仕方が無い。
体を鍛えたほうがいいのは分かっているけど、ついダラダラしてしまう。
そんな方には、真剣に警告したい。
筋肉は使わなければ萎縮します。
そして、一旦衰えて固くなった筋肉を、
良い状態に戻すのには、何倍もの時間がかかりますよ。と。
年齢に関係なく、というか
むしろ年齢が上がるほど、筋肉はあったほうが良い。
なぜなら、地球には重力があり、
何もしなければ筋肉はどんどん衰えて、
体の直立を支えられなくなってくるからだ。
胸とお腹がくっつきそうなほど、腰が曲がったお年寄りがいらっしゃるが、
あれは、骨の老化に加えて、体を支える筋肉が完全に弱ってしまった状態である。
早くそういう状態になりたいなら、これ以上何も言わないが、
年齢を重ねても美しくありたいなら、
今すぐ、筋肉を鍛え始めることをお勧めする。
ただし、鍛える=ムキムキになる。ではない。
ムキムキになる筋肉は、体の外側の筋肉(アウターマッスル)であり、
女性に必要なのは、正しく姿勢を保ったり、
動作を助ける筋肉(インナーマッスル)である。
大事なのは、インナーとアウターのバランスであり、
しなやかで質の良い筋肉を作ることだ。
試しに、肋骨と骨盤を引き離すイメージで、
まっすぐ背骨を引き上げて立ち、3分間キープしてみていただきたい。
キープできない方は、インナーマッスルが弱っている証拠だ。
この状態が続くと、その先どうなるかは、ここまでお読みいただいた方なら
容易に想像がつくはずだ。
人間の体が素晴らしいのは、
美しくなると意識して、正しい方法で動かしていくと、
必ず変ってくれるところだ。
これは私自身が、ダンスとハイヒールレッスンを通じて実感している。
忙しいから、運動が苦手だから、年だから、太っているから。
言い訳は色々あるが、体は本当に正直なので、
放置すれば放置しただけ衰えていくし、
手をかければかけただけ、ちゃんと応えてくれるのだ。
あとは本人がやるか、やらないか。だけである。
私は本気で、70代、80代でもハイヒールを履きこなせる体を作ると決めている。
すっかり白髪になった70代の私が、スッと背筋を伸ばして、
ハイヒールでエレガントに歩いている。
その姿はきっと、堂々としていて、
顔のしわでさえ人生の深みを感じさせる勲章になっているに違いない。
そんな私になると決めると、エイジングは怖いものではなく、
むしろ楽しみに思えてくる。
体は正直ゆえに、その人の生き様が現れる。
いつまでも美しくセクシーでいたいと思うなら、
この世にたったひとつの自分の体を丁寧に作り上げること。
豊かに年齢を重ねるには、それが何より大事なのである。
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