2018年4月12日木曜日

レッドソールの残像

つい先週のことだ。

職場で、ふとすれ違った他部署の女性の足元に、
強烈に視線を奪われた。


ほんの一瞬だけ、視界をよぎった足の甲。
黒のパンプスのシルエットがなんとも言えず美しかった。


はっとして振り返った時、飛び込んで来たのは鮮やかなレッドソール。


ルブタンのパンプス。
あの、美しい足の甲の印象は、間違いではなかったのだ。


残念ながらマレーシアには、ルブタンのブティックが無い。
シンガポールか、日本で購入されたのだろう、黒と赤のコントラストが美しい
クラシックタイプのハイヒールだった。


その女性は若き才媛で、いつもパンプスを履いている。
レッドソールもお似合いであったが、ただひとつ残念だったのは、やはり歩き方だ。


歩幅が広く、しっかりとヒールから着地しており、
遠ざかる足音がカツカツ、パタパタと響いていた。
その音を聞きながら、ルブタンのヒールが…!
と、冷や冷やしたのは言うまでもない。


膝の隙間、腕の振りなど、全てがコンサルティングで挙げられる、
クライアントの癖の見本のようであった。
ご自身が知らぬ間に、こんなに観察してしまって申し訳無いのだが、
彼女の歩きが、典型的なハイヒールでの歩きなのだろうと
見本を見せていただいた思いであった。


かく言う私は、まだまだ修行中であり、
目指す美しい歩きには程遠い。
しかし、気をつけるべきポイントを全て、網羅した彼女の歩きを見せていただいて、
ますます、正しく美しい歩きの必要性を痛感したのであった。


何よりも、せっかく美しい靴を履いているのだから、
靴にふさわしい歩きをしてあげなければ、靴が可哀想だ。



もしも彼女が、正しい歩き方を習得し、エレガントに美しく歩いたとしたら、
その姿はビジネスにおいて、計り知れない威力を発揮するだろうと確信したひと時であった。
それは彼女だけでなく、全ての女性が身に着けることが出来る、
大いなる可能性なのだ。



マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana




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