この世には光と影、陰と陽、活動と停滞と、
必ず相反する二つのエネルギーが存在する。
それは常に入れ替わり、交互に人生に訪れるもの。
私は最近、この二つのエネルギーの存在を、しみじみと感じている。
身動きが出来ない程ではないが、
物事が上手く進まない、そんなモヤモヤした停滞は、
真綿でジワジワと首を絞められているような苦しさがある。
その苦しさ、停滞から一転して、
突然、パッと目の前が開けた感覚。
先週は、その感覚をリアルに味わう出来事があった。
実は最近、私は自分のハイヒールの歩きに停滞を感じていた。
いつまで経っても、上手く歩けない。
コンサルティングも半分以上終わっているというのに、
こんなレベルでは駄目なのではないか。
そんな停滞と焦燥感。
先週火曜日のハイヒールレッスンの時に、
会社で8センチのヒールを履いているが、着地が上手く出来ないと、
師匠に話した。
師匠は
「もう、今の筋肉に対して、8センチが日常では低すぎるんです。
これ以上履き続けると、足を引っ張ります。」と仰った。
そうは言っても、10センチはレッスンの時でさえ、
まだ不安定だというのに。
外で日常的に履けるのだろうか。
「人生と同じで、もう終わったレベルに留まっていては、駄目なのですよ。
そうでないと、せっかく掴んだものが、一気に後退してしまいます。」
パン!と目の前で手を叩かれたような感覚。
その言葉で、ハッと目が覚めたような気がした。
翌朝、10センチのハイヒールを会社に持っていった。
午前中、10センチで過ごしてみたが、
やはり軸を取るのが難しい。
何とか半日10センチで過ごし、これ以上は脛の外側が痛くなりそうだったので、
お昼休みに8センチに履き替えた。
驚いたことに、8センチのヒールが、まるでスリッパのような感覚であった。
その衝撃。
こんなに楽をして歩いていたのか。
師匠の仰ったことは本当だった。
翌日も半日、10センチで過ごした。
前日よりは楽に歩くことが出来た。
「ハイヒールの高さと筋肉量は比例します。
高すぎてはコントロールが出来ず、身体を痛めますし、
低すぎては筋肉が怠惰になります。」
何度も講義で聞き、課題でも書いたにもかかわらず、
全く腑に落ちていなかったのだ。
1.終わったレベルに留まらず、然るべきタイミングで次に行くこと。
2.移行するタイミングをキャッチする感度を磨くこと。
3.何かを学んでいる時、メンターからアドバイスをいただいたら、
即行動すべし。考えるのは後。
4.自分を見くびらないこと。
今回の出来事で、ようやく深く腑に落ちたことだが、
これらはハイヒールと人生、両方に通じる。
ハイヒールの高さを上げたからこそ、
身体を通じて感じ、そして深く思考に落とし込むことが出来たのだ。
もしハイヒールの哲学を学んでいなければ、
歩き方と人生の学びを紐付けることは、決して出来なかった。
私たちは無意識に、ステージを変える事に恐れを抱く。
まだ無理とか、出来ないとか、そんな理由をつけては、
無意識に、今いる場所に留まろうとするのだ。
私も例外ではなく、自分がいかに、ブレーキを掛けていたのか思い知らされた。
とにかく、頭が理由を考え始める前に、決めて飛び込んでしまうこと。
その思い切りが、ステージを変える。
今、自分の状況に、何か漠然とした違和感を感じたら、
その違和感を無視しないことが大切だ。
ほんの少しでも、心引かれる方向があれば、思い切って飛び込んでみる。
そこから、新しい世界が開けてゆくのは間違いない。
マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana
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