2018年4月22日日曜日

仕事をきわめる

真紅のコートの裾が、ふわりと翻ったその瞬間。


鳥肌が立った。


ウエストから扇のように広がるフレアーのライン。
そして再び、さあっと翻り、ぴたりと収まる裾の、静と動のコントラスト。
美しい歩き。


何と美しいのだろう。
思わずため息が漏れた。




これは、師匠が先週Instagramで公開された、
真っ赤なGivenchyのコートを羽織って歩いている動画を観た時の、
私の反応である。


後に師匠のBlog、美しさとは計算であるを読み、
水面下で緻密な計算が成されていたことを知った。
だが、動画を観た直後に感じたのは、
ただ、素晴らしく美しいという事。
そして、少しでもあの領域に近づきたい。という憧れであった。


そこで気がついた。
この気持ちは、これから私が出会う、全てのクライアントの気持ちと同じ。
私もそうであったが、ハイヒールの門を叩く女性は皆、
美しいものを美しいと感じ、
自分も美しく歩きたい一心で、門を叩くのだ。


美しいものへの夢と憧れ。


私はハイヒールコーチを目指す者として、
この気持ちを決して忘れてはならない。
何故ならハイヒールコーチとは、
クライアントの夢と憧れを、現実化させる仕事だからだ。


仕事をきわめる。
「きわめる」には、
「究める」と「極める」の二つがある。


仕事を「究める」とは、
仕事に対し、情熱を持って目的を遂行するための、
あらゆる努力をすること。
そこに終わりは無いと感じる。
仕事をしている限り、常に究め続けていくだけなのだ。

仕事を「極める。」
これは、その仕事の頂点を極めるとか、
第一人者になるという事もあるとは思うが、
個人的には、その仕事におけるステージをやり切ることだと思っている。

仕事は人生の一部であり、人生のステージと同じく、
仕事にもステージがある。
ひとつのステージをやり切った時、
人は更に上のステージへと移行できるのだと思う。



ハイヒールコーチとして、
クライアントの美への夢と憧れを、どう現実化させていくか。
そのために情熱を持って、研究、研鑽を続け、
クライアントと向き合うこと。
これが仕事を「究める」ことである。

そして、究め続ける中で、
自らのスキルであったり、クライアントの質であったり、
そのレベルでの水準を完全に満たすこと。
これが、仕事を「極める」ことではないかと思う。



結局のところ、仕事を「究める」、「極める」両方とも終わりは無い。
あるとすれば、この世を去る瞬間に、
自分は仕事を通して、この世に何を残すことが出来たか。


自分の命と、情熱と、才能を、仕事という形で
他者に貢献できたら。
それは、最高に幸せではないだろうか。

そんな生き方をしたいと、心から願う。



マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana





















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